セル内で改行する方法
ショートカットキーを使う方法
まずセル内を選択(ダブルクリック)して、改行を入れようとする位置にカーソル(点滅する縦線)を合わせます。

そしてショートカットキー「Alt+Enter」(Altキーを押しながらEnterキー)か、または「Ctrl+Enter」(Ctrlキーを押しながらEnterキー)によりカーソル位置で改行されます。

次の画像は、さらにEnterキーを押してセルの編集を確定したところです。
行の高さが自動調整され2行分に拡張されているのがわかります。

「CHAR(10)」を使う方法
CHAR関数は指定した数値に対応する文字を返す関数ですが、数値を10とすることで改行を返します。
これなら数式そのものは改行されないので、キー入力を使う改行よりも数式中での取り扱いが簡単になります。
次の画像ではセルに「="東京都"&CHAR(10)&"千代田区"」という値を入力しています。これ自体は1行の数式ですが…

Enterキーで確定すると、「東京都」と「千代田区」の文字の間に改行が入った形で表示されました。
このように「CHAR(10)」は改行を返します。

次の画像ではD4セルに「=B4&CHAR(10)&C4」と入力し、B4セルの文字列とC4セルの文字列の間に改行を入れた文字列を取得しています。

多数の文字列の間に改行を挿んだ結果を得る場合は、JOIN関数を使うのが簡単です。
次の画像ではJOIN関数を使い、3つの文字列の間に改行を挿んだ結果を取得しています。

E4セル
=JOIN(CHAR(10),B4:D4)
JOIN関数は、複数の文字列の間に区切り文字(第1引数)を入れて連結する関数です。
ちなみにJOIN関数のほかにTEXTJOIN関数を使う方法もあります。次の記事で関数の違いを比較していますので参考まで。
(Gスプレッドシート)文字列を結合する関数4種の比較 - いきなり答える備忘録
「折り返し」の機能を使った場合
ところで、改行に似たものとして文字列の折り返しがあります。
これは対象となるセル(範囲)を指定した状態で、メニューにある「折り返す」のアイコン
をクリックすることで設定できます。

セル内の文字がセル幅を超えないように折り返されました。
このときセル内の文字列は(値としては)全く変化していません。また、セルの幅が変われば折り返しの位置(どの文字の間で折り返されるか)も変わります。

「この文字とこの文字の間で折り返す」という意図がある場合は改行を挿むのが適当ですが、文字列を隣のセルにはみ出させたくないだけの場合は折り返しを使うのが適当です。適宜使い分けてください。
セル内の改行を削除・置換する方法
セル内の改行を削除・置換する方法についてです。
関数や「検索と置換」メニューを使う場合は改行から他の文字列への置換も可能ですが、いずれも削除する例のみ紹介します。
キー操作で削除する方法
まずセル内を選択(ダブルクリック)して、改行の前(上の行の最後の位置)にカーソル(縦線)合わせます。

そのままDeleteキーを押すと改行が削除されます。

また、改行の直後(下の行の最初の位置)にカーソルを合わせてBackSpaceキーを押しても同じ結果となります。

関数を使う方法
関数を使って改行を一括削除・置換する方法です。
次の画像では、SUBSTITUTE関数を使って改行をすべて削除しています。

C3セル(C5セルまでフィルコピー)
=SUBSTITUTE(B3,CHAR(10),"")
SUBSTITUTE関数は文字列中の指定した文字(第2引数)を別の文字(第3引数)に置き換える関数です。
第3引数を「""」とすることで結果的に削除していますが、別の文字列を指定すればその文字に置き換えられます。
「検索と置換」メニューを使う方法
メニュー操作により改行を削除する方法です。
指定した範囲(シート全体、ファイル全体も可)にある改行を直接取り除くことができますが、上記で紹介した「CHAR(10)」による改行は削除できないので注意してください(対応は後述)。
まずは対象とするセル範囲(ここではF3:F5)を選択します。
そしてメニューから「編集」→「検索と置換」と選択します。

ダイアログが現れます。
「検索」欄に「\n」と入力(\はバックスラッシュとして表示されます)し、「正規表現を使用した検索」にチェックを入れます(このとき「大文字と小文字の区別」にも自動的にチェックが入りますが結果に影響しないのでそのままとします)。
そして最後に「すべて置換」をクリックします。先に「完了」をクリックすると何も起きないので注意してください。

「すべて置換」したところです。置換が完了したことを示すメッセージが現れます。

あとは「完了」をクリックすればダイアログが消えます。
改行が削除されていることが確認できます。

なお、この方法では「CHAR(10)」による改行が削除できません。置換の設定を工夫して削除する方法も考えらえれますが、いったん対象範囲をコピーしてその場で「値のみ貼り付け」を実行してから上記の操作を実行するのが簡単です。