質問形式を「ラジオボタン」または「プルダウン」とすることで可能になりますが、関連するいくつかの設定が必要です。
使用する機能
まず、分岐を実現する際に使用する機能を紹介しておきます。
具体的には「セクションの分割(追加)」と「行き先セクションの設定」があります。
セクションの分割(追加)
条件分岐させる際の行き先として他の質問を直接指定することはできず、行き先セクションを指定する必要があります。セクションとはフォーム全体をいくつかのパートに分割したものです。
そこでセクションの分割の方法ですが、分割しようとする位置(ここでは質問)を選択した状態で右側にある「セクションを追加」のアイコンをクリックします。
するとその選択していた位置の後に新しいセクションが追加されます。
この例では最後の質問の後に新しいセクションが追加されたので新しいセクションには質問がない状態(ヘッダのみ)となっています。選択していた位置(質問)の後に質問があった場合は、その質問は新しいセクションに属するものとなります。
なお、セクションの設定と基本的な効果については次の記事でも紹介していますので参考まで。
(Googleフォーム)セクションとは - いきなり答える備忘録
行き先セクションの設定
あるセクションからの行き先となるセクションの設定です。
この設定には次のような種類があります。
回答に応じた分岐先の設定
この設定は質問の内部で行いますが、設定できる質問形式は「ラジオボタン」と「プルダウン」に限られます。つまりこの2つ以外の質問形式からは分岐を設定できません。
次の画像はラジオボタンでの設定例ですが、右下のアイコンをクリックして「回答に応じてセクションを移動」を選択します。
すると各選択肢の右にプルダウンが表示され、それぞれの行き先となるセクションを選択することができます。
なお「フォームを送信」と設定した選択肢が選択された場合、他のセクションに移動することなく回答完了となります(最終確認のため、送信ボタンだけのページが表示されます)。
注意すべき点として、回答に応じた分岐先セクションを設定していても回答者が何も選択しなければ行き先が決まらないので単純に次のセクションに進んでしまいます(正確にはセクション末尾からの行き先セクション(下記参照)が適用されます)。よって通常の場合、分岐先セクションを設定した質問においては回答を必須に設定するのが適当です。
セクション末尾からの行き先の設定
見落とされやすい設定ですが、最後のセクション以外のセクションには、次の行き先となるセクションが設定されています。
行き先はデフォルトでは次のセクションですが、プルダウンをクリックして変更することができます。
この設定は、条件分岐した各セクションの先で特定のセクションに合流したり、合流せず終了する設定を行う際に使います。
条件分岐の設定例
以上を踏まえて、いくつかのパターンに対応した設定の具体例を紹介します。
ただしセクションや質問の追加などは省略し、要点となる分岐と合流の設定部分だけ紹介します。
分岐後に合流するケース
回答結果に応じて分岐し、さらにその先のセクションで合流するというケースです。イメージとしては次の図のようになります。
手順ですが、まずセクション1(分岐元)の質問で、各選択肢に対応する分岐先セクションを設定します。
さらに「必須」のスイッチをクリックしてONにします。こうしないと無回答の場合に次のセクションに進んでしまうからです。
続いてセクション2(分岐先のうち前にあるセクション)で、セクション末尾からの行き先セクションとしてセクション4(合流先セクション)を指定します。
以上で設定は完了ですが、分岐が3つ以上に分かれる場合は複数のセクションでこの設定をする必要があります。
回答中の様子を少し見てみます。各セクションは1つのページとして表示されます。
セクション1(分岐元)の質問で「参加しなかった」を選択して「次へ」ボタンをクリックすると…
設定どおりにセクション3に移動しました。ここで「戻る」ボタンをクリックするとセクション1に戻り、「次へ」をクリックするとセクション4に進みます。
なお、最初の質問で「参加した」を選択した場合はセクション2→セクション4と進み合流しますが、画像は省略します。
ところで、分岐→合流の特殊ケースとして次のような例(セクションをスキップ)も考えられますが、この場合はセクション1(分岐元)の質問で分岐先セクションの設定を行い、回答を「必須」にするだけでOKです。
分岐したまま終了するケース
分岐したまま合流せず、それぞれの分岐先セクションでフォーム(アンケート)が終了するケースです。
イメージは次の図のようになります。
手順として最初に、1つ上の例と同様にセクション1(分岐元)の質問を設定します(画像は省略)。
次に分岐先のセクション2(分岐先のうち前にあるセクション)で、セクション末尾からの移動先セクションとして「フォームを送信」を選択します。
これでセクション2に進んだ場合、セクション末尾には「戻る」ボタンと「送信」ボタンが表示され、「送信」をクリックすると回答完了となります。
セクション3(最終セクション)では普通にこれらのボタンが表示されるので設定は不要です。
選択肢によっては(分岐せず)そのセクションで終了するケース
ある質問である選択肢を選択した場合にはそのセクションで終了し、そうでなければ次のセクションに進むというケースです。
これは簡単で、セクション1内の質問で分岐先のセクションとして「フォームを送信」を指定すればOKです。
回答時に「フォームを送信」を設定した選択肢を選択して「次へ」ボタンをクリックすると、送信ボタンだけの画面が現れ、ボタンをクリックすると回答が終了します。
備考
- セクション内の複数の質問で分岐先を設定した場合、回答された質問のうち最も後にあるもので分岐先が決定します。
- 特に長いフォーム(アンケート)ではあらかじめ全体の流れをしっかり設計しておくことと、設定漏れで思わぬ動作をしないよう十分にテストすることが重要になります。