(Gスプレッドシート)条件付き書式で行全体に色を付ける方法

 Googleスプレッドシートで、表の中のあるセルの値に注目し、条件を満たす場合に行全体に色を付ける(左右のセルにも色を付ける)方法を紹介します。

文字列を条件にする場合

 ここでは、表内の「状態」という列に着目し、値が「A」だったらその行(B~E列)の塗りつぶし色を変えるものとします。

 


 まずは塗りつぶしの対象範囲であるB3:E9の範囲を選択します。

 


 そしてメニューから「表示形式」→「条件付き書式」と選択します。

 なお、範囲を選択した状態で右クリックして「セルでの他の操作項目を表示」→「条件付き書式」と選択する方法もあります。




 するとウインドウの右側に設定用の領域が現れます。
 ここで「書式ルール」のところにあるプルダウンから「カスタム数式」を選択し、その下に現れるテキストボックス(数式欄)に「=$E3="A"」と入力します。
 そしてその下の「書式設定のスタイル」内にある塗りつぶし色のアイコンでセルの色を設定します。太字や打ち消し線などの設定もできますが、本記事では緑色の塗りつぶし色(既定値)のみ設定するものとします。

 数式欄に入力する数式

=$E3="A"

 条件式というとIF関数などを使いたくなりますが、このような式でOKです。
 この式によりB3:E9のそれぞれのセルから同じ行にあるE列のセルが参照され、その値が「A」であれば設定した書式が適用されます。このように絶対参照($)を使って特定の列を参照することが、条件付き書式を行全体に適用する際の重要なポイントです。
 判定の対象となるセル範囲(E3:E9)のうち最も上のセル(E3)を指定すること、(文字列を条件とする場合において)値をダブルクォーテーション(" ")で囲むことも注意点です。



 完了ボタンをクリックすると設定が終わります。
 「状態」が「A」である行が緑色に塗りつぶされていることがわかります。

 


 ところで、表の内部に限らずシート内のすべての列に着色する場合は、次の画像のように行の見出し部分(左端の行番号が表示されているところ)を上下方向にドラッグすることで行全体を選択してから上記の操作を行えばOKです。
 Shift+Spaceで行全体を選択し、さらにShift+矢印キー(上下)で複数行を選択をするという方法もあります。

数値を条件にする場合

 次の画像ではD列の「取得額」が50000以上である行に色を付けています。
 操作については上記例と全く同じで、テキストボックス(数式欄)に入力する数式を次のようにしています。

 数式欄に入力する数式

=$D3>=50000

 対象が数値なので値をダブルクォーテーション(" ")で囲みません。
 なお、同じような例として条件が「50000より大きい」なら「>=50000」の部分を「>50000」とし、「100000以下」なら「<=100000」とします。

日付を条件にする場合

 ここではC列の「取得日」が2020/1/1以降である行に色を付けています。
 操作については最初の例と全く同じで、テキストボックス(数式欄)に入力する数式を次のようにしています。

 数式欄に入力する数式

=$C3>=DATEVALUE("2020/1/1")

 日付をダブルクォーテーションで囲んでさらにDATEVALUE関数で囲むことで判定ができます。
 単に「=$C3>=2020/1/1」とか「=$C3>="2020/1/1"」などとしてもうまくいかず、特に前者のようなケースではすべての行に色が付くので注意してください。これは「2020/1/1」が「2020÷1÷1」つまり2020という数値とみなされ、各日付のシリアル値(44000前後)が条件を満たしてしまうことが原因です。

複数条件の場合

AND条件(かつ)の場合

 ここではD列の「取得額」の値が30000以上100000未満である行に色を付けるものとします。

 



 最初の例と同様に、着色範囲であるB3:E9セルを選択してメニューから「表示形式」→「条件付き書式」と選択します。
 そしてプルダウンから「カスタム数式」を選択して数式欄に次の数式を入力(画像では式が入りきらず見切れているので注意)、最後に塗りつぶし色のアイコンでセルの色を選択すればOKです(既定値は緑色)。

 数式欄に入力する数式

=AND($D3>=30000,$D3<100000)

 AND関数を使って複数条件を設定しています。



 以上により条件を満たす行に色が付きます。

 ちなみにGoogleスプレッドシートにはISBETWEEN関数というものがあり、数式は次のようにしても同じ結果になります。

 数式欄に入力する数式

=ISBETWEEN($D3,30000,100000,TRUE,FALSE)

 ~以上~以下、といった条件を形式的にはシンプルにまとめられますが、数式がかえって長くなるので微妙な感じがするかもしれません。



 次の画像は複数の列に対するAND条件の例です。「取得日」が2019/1/1以降、かつ「取得額」が50000以上である行に色を付けています。
 操作は上記例と同様で、テキストボックス(数式欄)の数式を次のようにしています。

 数式欄に入力する数式

=AND($C3>=DATEVALUE("2019/1/1"),$D3>=50000)

 基本的な注意点は上記の例(数値を条件とする場合、日付を条件とする場合)と同様です。
 あとはAND関数により複数条件を設定すればOKです。

OR条件(または)の場合

 次の画像ではE列の「状態」が「A」または「C」である行に色を付けています。
 操作は上記例(一番上の例またはAND条件の最初の例を参照ください)と同様で、テキストボックス(数式欄)の数式を次のようにしています。 

 数式欄に入力する数式

=OR($E3="A",$E3="C")

 OR関数を使って複数条件を設定しています。



 最後に、複数の列に対するOR条件の例です。
 テキストボックス(数式欄)の数式は次のようにしています。

 数式欄に入力する数式

=OR($D3>=50000,$E3="A")

 数値や日付を条件とする場合の注意点については上記の各例(数値を条件とする場合、日付を条件とする場合)と同様です。
 あとはOR関数により複数条件を設定すればOKです。