一度なにかの選択肢を選んだ後にマウス操作だけで元に戻せるようにすることが目的です。
- プルダウンの選択肢として半角のアポストロフィ(')を設定すれば、空白セル(未入力状態)を設定したのと同様の効果を得ることができます。
- ただし設定によっては動作中の見た目などが多少不自然になります。
手順
はじめに「選択肢をセル範囲上に設定しておく」そして「表示形式を『矢印』にする」という条件で設定する例を紹介します。
なぜそうするかというと、見た目的に最も自然な動作をするからです。
まずは適当な場所(ここではD列)に選択肢となるデータを入力しておきます。
ここで選択肢に半角のアポストロフィ(')を含めておくのがポイントです。
続いてプルダウンの設定です。
プルダウンはこのB3セルに配置するものとします。
B3セルを右クリックして「プルダウン」を選択します。メニューから「挿入」→「プルダウン」と選択してもOKです。
ウインドウの右側に設定用の領域が現れます。
ここで条件から「プルダウン(範囲内)」を選択して、その下のボックス内にカーソルを合わせます。
そこから選択肢となるデータが記録されているD3:D6の範囲を選択して(見出しを含めないこと)OKをクリックします。
右側に戻ります、ここで「詳細オプション」をクリックし、表示スタイルから「矢印」を選択します。
あとは「完了」をクリックして設定終了です。
B3セルの▼をクリックすると選択肢が現れます。
空白の選択肢が含まれているのがわかります。
その空白の選択肢を選ぶと、セルの見た目は空白になりますが数式バーを見るとアポストロフィが入力されているのがわかります。
これは純粋な空白セル(未入力)とは異なり、正確には「長さ0の文字列」です(「=""」と入力したときと同じ)。しかしこの状態でどこかのセルに「=B3=""」と入力するとTRUEとなり、実用上は空白セルと同様に扱うことができます。
選択肢を直接指定した場合
上記例と同様にB3セルにプルダウンを設定するものの、選択肢を(どこかのセル範囲に用意するのではなく)直接入力して設定する例です。
B3セルを右クリックして「プルダウン」を選択し、設定領域内で1つ1つの選択肢を入力していきます。ここで選択肢にアポストロフィ(')を含めます。なお上記例と比較しやすいよう、表示形式は「矢印」とします(「詳細オプション」をクリック→表示形式から「矢印」を選択)。
これで上記例と同じ設定になりそうですが、B3セルを選択したときに選択肢として「'」が見えてしまいます。
これが選択肢を直接指定した場合のちょっとした欠点です。
ただし選択後は同じになります。見た目は空白ですが数式バーを見ると「'」となっているのがわかります。
表示形式を「チップ」にした場合
他のセル範囲(D3:D6)に「'」を含む選択肢を入力しておき、表示形式をデフォルトの「チップ」とした場合の例です(手順の画像は省略しますが、最初の例を参考のこと)。
この場合、選択肢は空白となり「'」は表示されません。
しかし、この空白の選択肢を選ぶとこうなります。数式バーで「'」となっているのは上記例と同様ですが、セルが真っ白になりプルダウンであることがわからなくなります。
これがチップ形式にした場合のちょっとした欠点です。
ただしこのセルをダブルクリックすると再度選択肢が現れます。
つまり空白の選択肢を選んだ時に、一時的に「表示形式を『書式なしテキスト』にしたときと同じような状態になってしまう」ということです。
結果には特に問題ありません(上記の2例と同じ)が、ちょっと癖のある動作なのが気になるところかと思います。